F2)世界を5つに分けるって強引じゃない?【五行の章】
東洋には『陰と陽』という概念があります。
陰陽太極図という「どこを切っても白だけにならず、黒だけにもならず」回っていることを表したこの図(↓)が有名です。
つまり、世界には「陰」と「陽」があり、どちらもあってこそモノゴトが成り立つ。
すべてはバランスが大事ということ。
そして『視点が変われば陰陽も変わる』とするのが【陰陽思想】で、
これがまず東洋思想の根底にあります。
そこに『陰と陽が動くときに五行を形成する』という【五行思想】が乗っかり、
【陰陽五行思想】と言われる思想になりました。
昔々あるところに、ていうか中国に、
老子さんという思想家がおりまして、その彼が言いました。
「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三(=五行)は全てを生ず」と。
難しい言い方してますね。
思想家ですからね。
つまり、「1から始まって、五行が揃って回っていくと、モノゴトが生まれて発展していく」ということです。
ものすごく厳密にいえば、事象がからむと、
五行の色では足りなくなりますが、おいといて。
さて、この「木」「火」「土」「金」「水」は、
それぞれの要素同士が、お互いに影響を与えます。
つまり、この「木」「火」「土」「金」「水」 の順番に従って、
五角形に配置すると宇宙の森羅万象が育っていくという原理。
モノゴトがうまくいく根本エネルギー、つまり『生成発展』です。
カタチから見ても、正五角形にはフィボナッチが含まれていて、世界をととのえます。
命あるものをととのえるのは、正五角形。
なので、『五行は生き物すべてをととのえます』と。
で、この生成発展のエネルギーを生み出す関係のことを、
『相生(そうしょう)』の関係といいます。
相生の関係
相生(そうしょう)の関係とは、
『「木」は「火」を生じ、「火」は「土」を生じ、「土」は「金」を生じ、
「金」は「水」を生じ、「水」は「木」を生ず』といわれる、【五行相生】のこと。
・木生火(もくしょうか)
・火生土(かしょうど)
・土生金(どしょうきん)
・金生水(きんしょうすい)
・水生木(すいしょうもく)
「木」は燃えて「火」になり、
「火」が燃えたあとには灰(=「土」)が生じ、
「土」が集まって山となったところからは、鉱物(「金」)が産出し、
「金」は腐食して「水」に還り、
「水」は「木」を生長させる
という具合に、「木」→「火」→「土」→「金」→「水」→「木」の順に、
うまく相手を強めてくれます。
まぁ、そうそう日常生活で用語として使うシーンはないと思いますので、
モク・カ・ド・ゴン・スイと覚えて、隣は仲良しさーん♪ と覚えておけばいいかと。
相剋の関係
逆に、相手の要素を抑え、弱める影響を与えるものが『相剋(そうこく)』の関係。
「剋(こく)す」と、表現するのですが、
『「水」は「火」に勝(剋)ち、「火」は「金」に勝ち、「金」は「木」に勝ち、
「木」は「土」に勝ち、「土」は「水」に勝つ』という関係が、
【五行相剋】となります。
それぞれ、
・木剋土(もくこくど)
・土剋水(どこくすい)
・水剋火(すいこくか)
・火剋金(かこくきん)
・金剋木(きんこくもく)
「水」は「火」を消し、
「火」は「金」を溶かし、
「金」でできた刃物は「木」を切り倒し、
「木」は「土」を押しのけて生長し、
「土」は「水」の流れをせき止める
という具合に、
「木」→「火」→「土」→「金」→「水」を一個飛ばしにしてしまうと、
生成発展のエネルギーにならず、一方的な関係になってしまいます。
まぁ、これもそうそう用語として使うシーンはないと思いますので、
モク・カ・ド・ゴン・スイの一個飛ばしは取り扱い注意! と覚えておけばいいかと。
5つでコト足りるのか?
これらは東洋に古くからある思想なんですけども、
多少強引だろうと何だろうと、カタチがあれば、5つに分類してしまいます。
世界には色々なものがあるのに、分類は5つだけって少なく感じませんか?
私は最初「いやいや、例外もあるデショ」と思いましたよ(笑)。
でもね、生き物を表すなら足りなくないんですよ。
足りなくなかったです。
私は、講座で以下の説明を聞いて納得しました。